「技術官僚の政治参画–日本の科学技術行政の幕開き」

近代日本の発展を担った技術官僚たち、当初「お雇い外国人」の代替者でしかなかった彼らはいかにして科学技術行政中枢における地位を確立していったのでしょうか。法科系官僚の圧倒的優位に対し、結社と運動によって団結し、総力戦体制の形成と軌を一にして…

1600年前の図書館戦争

映画「アレクサンドリア」を見ました。主人公のヒュパティアについてはここを参照。 4世紀、ローマ帝国末期のエジプト、アレクサンドリア。宗教をめぐる市民の対立から街が荒廃する中、類まれなる美貌と明晰な頭脳を持った女性天文学者ヒュパティア(レイチ…

人文・社会科学の国際化と言語の問題

人文・社会科学の国際化が不十分だ!という話は折に触れてなされる訳ですが、その実態はどうなっているのでしょうか?そして外国語に対する認識とは?人文・社会科学の国際化における問題について、定量的なデータを元に各学問分野における状況を分析した論…

Isis Focus 読書会 #9 「科学史の未来」

私が所属している研究室で科学史を専攻する院生有志が主催する研究会に今更ながら初参加してきました。 Isis Focus 読書会 #9 「科学史の未来」(2013年6月24日、於:東京大学駒場キャンパス or everywhere with internet connection*1) ここ(駒場科学史研…

科学技術における「軍産学複合体」の歴史的考察

戦前、戦中の科学技術研究体制と海軍との関係を「軍産学複合体」*1という視点で捉え、その意義と帰結を考察した論文を読みました。科学技術の専門家集団としての海軍は軍産学複合体の中でどのような役割を果たしていたのでしょうか? 畑野勇, 「科学技術にお…

技術者倫理の展望 –その歴史的背景と今後–

技術者倫理はなぜ必要とされ、発展してきたのか?そこには日米欧で異なる歴史的・社会的文脈がありました。 金光秀和, 「技術者倫理の展望 –その歴史的背景と今後–」『情報知識学会誌』情報知識学会, 16(3), 2006, pp. 24-38 ※ http://ci.nii.ac.jp/naid/110…

グローバルな運動をめぐる連携のあり方−サミット抗議行動におけるレパートリーの伝達をめぐって−

グローバルな社会運動の作法ともいえる「レパートリー*1」 、それはどのようにして伝達され、実行に移されるのでしょうか?被害者、運動従事者、支援者を必ずしも明確には特定できない反グローバリズム運動を事例として、社会運動体同士の「連携」の実態を分…

一九一〇〜五〇年代日本における美術史学の展開―学術インフラ、学問的アイデンティティ、研究費受給体制ー

学問分野はどのようにして独立・存続していくのでしょうか?美術史学における学術インフラ、学問的アイデンティティ、研究費受給体制を検討する事により、その具体的な過程と意義を明らかにした論文を読みました。筆者によれば、「1910〜1950年代の美術史学…

櫻井錠二と日本近代における学術振興の展開

タイムラインが学振採用者の話題で盛り上がっていたので、日本学術振興会の設立に大きな役割を果たし、初代理事長に就任した化学者・櫻井錠二に関する論文を読んでみました。大学のグローバル化、基礎研究の充実、研究費の増加が一部で叫ばれる昨今ですが、1…

京都学派と日本海軍-新史料「大島メモ」をめぐって

隣の部屋の本棚に転がっていたので手に取りました。「思想戦」に巻き込まれる事を余儀なくされた京都学派の思想と行動とはどのようなものだったのでしょうか?海軍の依頼を受けて行われていた会合の内容を描写するメモを手がかりに、京都学派の「反体制的な…

日中戦争下における基礎研究シフト-科学研究費交付金の創設-

5ヶ月くらい前に「誰かblogで取り上げないかな」と言っていた人がいたので取り上げてみました。科学研究費補助金の前身である科学研究費交付金、その設立には当時の情勢が強く影響していました。 水沢光(2012), "日中戦争下における基礎研究シフト-科学研…

ツイン・タイム・トラベル イザベラ・バードの旅の世界・写真展

健康診断のついでに、駒場博物館で開催されている表題の展示に行ってきました。 ツイン・タイム・トラベルーイザベラ・バードの旅の世界・写真展 監修:金坂清則 京都大名誉教授 場所:駒場博物館(東京大学駒場キャンパス) 期間:6月30日まで 開館時間…

Laubichler, Maienschein, Renn, 2013 ”Computational Perspectives in the History of Science”

「Isis, Focus読書会#9 科学史の未来」(https://www.facebook.com/events/488774157858750/)参加にあたり、Isis vol. 104, no. 1 (2013) の Focus "The Future of the History of Science" 収録論文を読みました。「ビッグデータ」という言葉が世を席巻し…

富永・2013「社会運動のイベント性が生み出す運動参加ー2008年北海道洞爺湖G8サミット抗議活動を事例として」

安倍総理が北アイルランドでのG8サミットへ飛び立ちました。一方現地では抗議活動も起きているようです。というわけで、折よく?サミット関連で著者からお送りいただいた論文があるので紹介します。 2008年に開催された洞爺湖サミットへの抗議活動は、G8に対…

The Fukushima report hides behind the cultural curtain(文化のカーテンの影に隠れるフクシマ・レポート)

産經新聞の記事(http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120708/dst12070811130003-n1.htm)に引用されていた6日付英Guardian紙への寄稿「The Fukushima report hides behind the cultural curtain」(ロンドン大学バークベック・コレッジの島津直子先生に…

坂野・2011「日本人起源論と皇国史観ー科学と神話のあいだー」(金森編「昭和前期の科学思想史」第三章)

明後日開催予定の合評会*1にて、「昭和前期の科学思想史」第三章「日本人起源論と皇国史観ー科学と神話のあいだー」(坂野徹)にコメントするのを前に、その内容をまとめてみました。 本論文の著者である坂野徹氏は、その著書「帝国日本と人類学者」において…

伊地知・2011「連合王国における政策形成への科学的助言の活用」(科学技術社会論研究第8号・2011)

東日本大震災に際して話題となった政府首席科学顧問ベディントン卿の活躍からほぼ1年、日本においても政府科学顧問の設置が検討議題に上る昨今、英国政府内における政策形成と科学的助言のあり方をまとめた論文の紹介です。 科学技術政策の現在 (科学技術社…

藤野豊「旧『南洋群島』のハンセン病政策ー隔離と虐殺の論理と構造ー」(思想、2008年8月号)

一部科哲界隈で大人気の表題論文を読んでみました。 話の始まりは1920年、第一次世界大戦に参戦した日本は、パリ平和会議の決定に基づき旧ドイツ領であった赤道以北の「南洋群島」(マリアナ諸島・カロリン諸島・マーシャル諸島)を委任統治することにな…

IOS-IASA Joint Workshop for Young Sociologists 2012

表題のワークショップに参加・発表するため、3月18日〜21日の日程で台北の中央研究院・社会学研究所に行ってきました。 ※プログラムは→http://ricas.ioc.u-tokyo.ac.jp/news/news.php?id=WedFeb291432122012を参照。 日本側からは修士・博士課程の学生…

JASTS&総研大ジョイントワークショップ-Allison MacFarlane氏とSulfikar Amir氏の原発立地問題に関する講演より

昨日表題の講演会に参加してきました。かいつまんで内容を。 まずはシンガポール南洋工科大学のSulfikar Amir氏が作成したドキュメンタリーの上映。インドネシアにおける原発立地問題を題材に、賛成派/反対派の声を様々な角度から捉えて描いた力作でした。 …

シンポジウム「ロボットは東大に入れるか」参加記録

本日開催された国立情報学研究所主催のシンポジウム「人工頭脳プロジェクト〜ロボットは東大に入れるか」(http://21robot.org/)に参加してきました。いろいろと興味深いシンポジウムだったので以下(若干の抜け落ちもあり、他の参加者の方がいらっしゃいま…

※日程変更あり!【お知らせ】現代思想12月号「危機の大学」を読む会

下記告知の読書会ですが、参加者僅少のため12月15日(木)夕方16時30分からの開始となりました。引き続き参加希望の方を募集しておりますので、興味がある方は記事下部の私のメールアドレスまでご連絡ください。ご覧の皆様へ 先日発売されました現代…

シンポジウム「日本のエネルギー政策を多面的に考える」参加記録

久々の更新。 中の人からお誘いがあったので、駒場祭に合わせて数理科学研究棟大ホールで開催されたシンポジウム「日本のエネルギー政策を多面的に考える」に参加してきました。 参加者は200人ほど、大半が中高年の男性でした。申し込み段階から学生の参…

公開講演会「危機と科学」メモ、に対する岡本先生のコメント

先日更新した「公開講演会『危機と科学』メモ」(http://d.hatena.ne.jp/kosuke64/20110530/1306778499)に関して、講演者の岡本先生からコメントを頂きましたので、改めて投稿させていただきます。 岡本拓司 2011/05/31 09:26 どうもさっそくありがとうござ…

公開講演会「危機と科学」メモ

既に昨日のことですが、駒場にて科学史科学哲学研究室主催の講演会「危機と科学」が開催されました。日頃講義をしてくださっている先生方の講演とあって、研究室メンバーの多くが参加していたようです。会場は駒場の奥まったところにある16号館1階の講義…

May 5th

情報学環教育部の新歓BBQへ。葛西臨海公園は初めてだった。GW最終日かつ天気が良かった事もあり結構な人出。いろんな人といろんな話で盛り上がる。終了後、ICカード収納可能なiphoneケースを探して電器屋をはしご。5軒目のソフマップでついに目当てのものを…

May 4th

昼から本郷へ。京論壇2009報告書発送作業2回目。封筒確保に苦労。ゆうメール(同一郵便物を大量に発送できるサービス)を利用したが、結構な額がした。しかも海外発送高いしwその後打ち上げを兼ねた食事。それから新宿にて別の飲み会へ。なんだかんだ…

May 3rd

ドキュメンタリー制作をする講義の打ち合わせ。TGCTでいくことになった。駒場へ移動し、二本目のMTG。終了後渋谷で飲み会。自分には酔っぱらいの世話をしてしまう習性があるのかもしれない。日付が変わってから歩いて帰宅。

May 2nd

昼前からMTG。選考というのは難しいものである。その後、久々のビリヤード。キューを買うことにした。

May 1st

朝からTGCT(http://www.tokyocycling.jp/)へ。教育部のドキュメンタリー作成講義の下調べ・・・という名目で2回目の参加。天気が素晴らしく良く、参加していた観光客の方も楽しんでいたようだった。新橋―日本橋―佃島―晴海―豊洲―お台場―(水上バス)―芝―皇…