迎賓館参観

迎賓館赤坂離宮の建物内部一般公開に参加してきました。全部で2万名しか参観出来ない狭き門?だったのですが、5月に開催された皇居宮殿一般公開の抽選に外れて悔しい思いをしただけに、楽しみにしてきたイベントです。安全上の理由という事で内部の写真撮影はできなかったのですが、普段は見られないところをボランティアの解説員(毎年募集がかかり、研修を経て配置されている)の方の解説付きで見られるという幸運な体験でした。



迎賓館赤坂離宮。毎年11月に前庭のみ一般公開されるため、この場所には一度行った事があります)


今回の目玉は何と言っても迎賓館内部、国賓が宿泊する実際の建物の中を見て回れるというところにあります。彩鸞の間、花鳥の間、朝日の間、羽衣の間といった晩餐・会談用の大部屋に加えて、迎賓館創設40周年記念ということで特別に公開された東の間(要人のマスコミとの会見が行われる部屋)も見学する事ができ、大変有意義なひとときでした。


特に印象に残ったのは綺麗さです、綺麗さ。窓枠にはほこり一つ落ちていません。どこかの大学の院生室の一億倍くらい綺麗です。あの大きさの建物でこの掃除のクォリティを維持するのは並大抵の努力では無いのだろうと感じました。貧乏性でしょうか、個人的には「こういうところに泊められても逆に気が休まらないなぁ」と思いましたが、国賓をもてなし国の威容を示すということの重大さを実感したのも事実です。


建物の外観こそ洋風になっている迎賓館ですが、内部の部屋のデザインは和洋折衷といった趣が強いです。大部屋の床はいずれも寄木細工でできており、花鳥の間にいたっては木製の壁に七宝焼がはめ込まれています。外交プロトコルとしての西洋性をベースにしながらも和のデザインを織り込もうとした意図が強くうかがえます。泊まる人がどこまでそれに注意を払う余裕があるのかはわかりませんが。


また11月の前庭公開では入れなかった建物の後ろ側の庭(上写真)にも入る事ができ、噴水と迎賓館とのコラボレーションを堪能する事も出来ました。後庭は木々に囲まれており、周りの建物からは視覚的にほぼ遮断された空間になっていました。


来年も募集されるはずなので、興味のある方は応募されてみると良いかと思います。


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