谷文晁展@サントリー美術館

国際会議のために来日した外国人研究者二人を連れて、サントリー美術館で開催中の「谷文晁展」を見に行ってきました。サントリー美術館は初見参。管理人は「通訳案内士」という資格を持っていて、施設によっては「下見」「案内」名目で入場料が無料になったりするのですが、サントリー美術館では残念ながらダメでした。



「谷文晁展」
場所:サントリー美術館
期間:8月25日まで
入場料:一般1300円、学生1000円
URL:http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2013_3/?fromid=topmv

関東南画の大成者・谷文晁(1763〜1840)は、四条派、土佐派、洋風画からも影響を受け、さまざまな様式の作品を残しています。また、木村蒹葭堂などの文化人や、渡辺崋山ら門人たちなど、その人脈の広さは当時の絵師の中でも際立つものです。そこで本展では、文晁の生誕250周年を記念し、文晁と人々との交流を軸に、その画業と功績を振り返ります。加えて、近年当館所蔵となった谷文晁画「石山寺縁起絵巻」全七巻を修復後初公開いたします。


上記紹介にもあるように、松平定信のお抱え絵師でもあった谷の様々な作品が展示されています。水墨画的なものもあれば洋画もあり、日本の絵師に関する展示としてはちょっと独特の雰囲気だったのが印象に残ります。各々の絵画は当然ながら素晴らしいものばかりなのですが、分野が多岐にわたるということもあり、どこか谷の「器用貧乏さ」が際立っているような気もしました。「うまい絵なんだけど感動はない」みたいな。美術的な鑑賞眼はかけらも持ち合わせていない管理人がこんなことをいうのも気が引けるのですが笑。


1点気になったのは、展示物の一つ「文晁画談」です。開かれていたページには肖像画を描く時はあまり似せてはならない。似せすぎると『命を損なう』」という谷の言葉が記されていました。「写真を撮られると魂が抜かれる」というのはしばしば話題になる迷信ですが、それが肖像画についても言われていたことにまずは少々驚きました。そして同行していた二人によると、例えばアメリカ先住民の間でも「写真を撮られると魂が抜かれる」的な迷信があるのだそうです。そう聞いてふと、「こういう迷信を比較文化論的に考察した文献とかないのかな?」と思ってtwitterに流してみたのですが、どうやらまとまったものはないようでした、残念。


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